人生いろいろ。 タイヤもイロイロ

当店ではタイヤを大体100本ほど在庫してます。 額にして合計で50〜60万円。 店の規模から考えるとちょっと多い。 いわゆる過剰在庫と思うのですが、コレにはワケがあるのです。

一つはタイヤ(リム)規格が増えたこと。 ご存知の通りMTBのタイヤは26インチ、27.5インチ、29インチとかなりマイナーですが24インチがあるのです。 えぇ、それら全ての規格のタイヤを置いているので、そらもう大変。 折り畳めるタイプならまだしもDH用のゴツいヤツなんかスペースを取られて堪ったもんじゃないんです。 でも、需要があるので、ねぇ。

しかし、タイヤの在庫を多くする一番の理由は「走り」に対する処方箋であること。 一例なんですが、以下の場合で思考実験。

Q:ガタガタ道が恐い
A:グリップ力を高める。振動吸収性を高める。

ただ、グリップ力を高めると言ってもイロイロな手法があるのでこれまた複雑。 細かいノブが沢山あるタイヤにすることで接地するエッジの数を多くしてグリップを稼ぐパターン。 逆に高く間隔が広いブロックのタイヤにすると接地面積は減るものの、面圧は上がりブロックを強く路面に押し付けることでグリップが稼げることもあります。 一般的には前者はハードパック、後者はルーズな路面に有効ですが走り方、空気圧に依ってはそうでないことも。

振動吸収性に関してもDHタイヤのようにケーシングが堅いので空気圧を低くすることで振動吸収性を高めることもあれば、シナやかケーシングで空気圧が高くても路面からの突き上げを緩和してくれてOKっちゅうパターンもあるのです。 ん〜難しい。

実際は「ガタガタ道のナニが恐い?どう恐い?」という問診から始まって「ガタガタ道でもあそこなら大丈夫、こんな状態なら無理」と言った具合でディテールに突っ込んで行きBikeのパフォーマンス、タイヤの減り方なんかの観察もやりつつ課題の解決となるようなタイヤを提案するわけです。

応用的な処方箋
Q:フレームがよれているようで剛性不足が気になる。
A:タイヤのグリップレベルを落とす。

ハイグリップ原理主義へのカウンター。 あんなタイヤなのに速いって人いませんか? 実はこんなロジックでパフォーマンスを発揮しているのかもしれません。 要は適正なバランスがとれて乗り手の力が遺憾無く発揮できるっちゅうわけです。
 多くの人はフレームの剛性不足を感じたら思わず剛性の高いフレームに触手が伸びそうですが私みたいな非力な人間では体力不足が露呈してしまうだけだったりします。 それにコスト的にもタイヤ<<<<フレームですし、タイヤで対応して物足りなければフレームを交換するという流れでも遅くは無いと思います。

あくまでも上記は一例。 皆様の悩み&課題は千差万別。 突き詰めれば、人と全く同じ課題は無く、その答えも同じではないはずです。 その証拠にカスタマイズされた車両に待ったく同じものは有りません。 乗り手の個性が大なり小なり反映されてるのです。
そういった個性的な皆様のリクエスト(処方箋)にお応えするとなればより多くの種類が必要となるのは必然なわけです。

 それに加え消耗品ということで換えることが多い部品=回転率が高い=在庫リスクが低いというビジネス的な理由もあるのですけどね。 というわけで過剰在庫を正当化。 恐いのは棚卸し。

いずれにしても「MTBで遊ぶ人」が多く集まる当店。 在庫の多さと同時に乗り手からのキックバック(カスタマーレビュー)も多く集積されてるわけです。 それを原資として次のお客様に面白い提案ができるのです。 タイヤ選びに困ったら是非ともBlankyDog
にご相談ください。 更に悩ますこともありますがチョイスする楽しさは倍返しです。 そしてライドするときの楽しさは更に倍です。



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